「うちの子は自閉症かもしれない」

と思い始めて、すぐ大病院の小児科にかかりました。

今日は、発達障害であることを瞬時に疑われたあの切ない日のことを書きます。

やっぱりどこか違う

 

1歳半検診で、明らかに同月齢の子とわが子が異なることに気がつきました。

結構、あきらめというか、覚悟というか、そういうものが出てきました。

1歳4ヶ月ぐらいで、「やっぱり違う」「こんなもの?」と毎日悩んでたんですが、現実を突きつけられた気持ちでした。

私が住んでいる自治体は、発達障害に対する福祉がそんなに盛んではないので、初診まで3ケ月待ちなんて噂も聞きました。

年少から療育施設に入るため、私はすぐ動き出しました。

まずは近くの大病院の小児科に発達相談の予約をしました。

小児科には、チラシがあって、「おこさんの発達、気になりますか?発達相談はお気軽に!」みたいなのが貼ってあるのは知っていました。

全然お気軽ではなく、切羽詰まって予約したわけですが、そこでも1ヶ月待ちでした。それでも短いほうです。

 

座れない。待つなんてできない

1歳11ヶ月で初めて病院にかかることが出来ました。

でも、このころの外出は大変でした。

とにかく待てません。当然座れません。それはそうです。じっとする理由が分からないのです。

手をつなぎたがらず、興味のあるほうにどんどん行ってしまいます。

人が持っているおもちゃを平気で手から奪い取ります。

それだって、「今お友達が遊んでるからとっちゃダメ。貸してって言うんだよ」

なんて言ってもわかるわけがありません。

そもそも会話ができないし、発語もなし。今他の子が使っているおもちゃという概念すらありません。

病院で椅子に座って待つという難易度の高いことが、我が子にできるわけもなく。

でも、しなくてはなりません(笑)。

お菓子、おもちゃ、絵本、考えらえる全ての「座らせグッズ」を持参し、診察まで待合室にいなくてはなりません。

「○○さん、どうぞ!」と名前を呼ばれるのを聞き逃すわけにはいきません(笑)

で、そこでも一時間ぐらい待ったかな。予約なのにどうしてずれ込むんだろう・・・。

 

スクリーニング検査を行う

診察室に入ると、男性の医師が待ってくれていました。

簡単なヒアリングをしようとしてくれましたが、子は医師の机のものに興味津々。

パソコンのキーボードをたたいたり、電源ボタンを押してみたり、プリンターを触ってみたり。

落ち着いて話すことなんて出来ません。

膝の上に抱きかかえて座らせていたのですが、鮭のようにぴちぴち暴れて降りたがり、結局詳しい話ができません。

医師がスクリーニング検査をやってくれました。

[memo title="スクリーニング検査とは"]選別試験,ふるい分け試験とも呼ばれる。多くの人が集まって構成される,職場,地域,学校などの健常者集団や,新生児・妊婦・老人などの各集団に対する〈集団検診〉と〈個人に行う検診〉とがある。

引用 コトバンク「スクリーニング検査とは」[/memo]

A4の紙が1~3枚あるチェック項目が並んでいるような検査で、内容は

「歩き始めたのはいつですか」

「発語はありましたか」

「指さしできましたか」

などの初期検査項目が並んでいます。本来はママが記入するものなのですが、鮭が暴れてぴちぴちするので、医師が聞きながら記入してくれました。

「はい」「いいえ」で答えて、もう「いいえ」しか答えがなくなったころ、検査は終了です。

 

医師「うーん」

私「ど、どうですか?」

医師「私は発達専門ではないので、診断はできませんが、自閉症の疑いがあります。」

私「ですよね・・・」

医師は、型はめの道具を持ってきました。

こんなやつです。

子は1歳11ヶ月。マルと四角しかできませんでした。三角は理解できず、四角の穴に無理やり押し込もうとしています。

健常児は穴の形とブロックの形を理解し、正しく全て入れられるそうです。

医師はその様子をみて、やはり自閉症の疑いを濃くしたような感じにみえました。

 

診療室から脱走の巻

子が膝から降りたがっているので、疲れた私はついに放流してしまいました。

診療台や、荷物入れのかごを触って楽しそうにしています。

医師も私も、ゆっくり話ができるのでついそのままにしてしまいました。

しばらくすると、診療室の後ろのカーテンの向こうに走って行ってしまいました。

裏はナースステーションのようになっていて、すべての診療室とつながっているナースの準備部屋のようなものになっています。

後ろでナースに「どこからきたの?」などと構ってもらっていたようなので申し訳なくも放っておきました。

でも、帰り道が分からなくなったようでついに泣き出し、ナースに「あらあら、どうしたの?」などと言われながら診療室に連行されてきました(笑)。

医師「いつもあんな感じでどこかへ行ってしまいますか?」

私「はい、ぴゅーっと」

医師「そうですか・・・」

医師ももう、専門ではないといいながらある程度判断できたようです。

 

医師「経過観察しましょうか。半年後に来てください」

半年後?待てるわけがありません。初診だけで1ヶ月も待たされています。

こんなスピードだと自閉症と診断されるのは10年後でしょう(笑)。

私「私は年少から療育を望んでいます。療育につなげたいのですが」

医師「では、療育センターに紹介状をかきますね」

注:私の住んでいる自治体は病院の紹介状がないと療育センターでの初診が受けられません。

私「はい、お願いします」

医師「ただ、療育センターも順番待ちのようですから、半年ぐらい待つかもしれませんが」

半年か。でも何もないよりましです。

それでもよいことをつげ、紹介状を書いてもらい、その日は帰りました。

ここでようやく、療育センターへの道が見え始めました。

 

最後に、診察室を出る時、

医師が子に「バイバイ」をしてくれました。

子は「バイバイ」をしません。

私「こういうとき、普通の子はバイバイをする月齢なんでしょうか?」

医師は思い切ったように言ってくれました。

医師「はい、1歳11ヶ月だとできますね」

 

やはり、うちの子は自閉症なんだろうか。

 

 

 

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