我が子は「こんにちは」とクラスのママに声をかけられても、5歳になるまで「こんにちは」と返すことが出来ませんでした。
挨拶の意味などまるで分っていませんでした。というか、今もわかっていないかも(汗)。
今は促されるとしますが、一人の時に自発的に挨拶することはできません。
今日は、発語のない我が子に「こんにちは」と言われたときのことについて。
知的障害・自閉症:発語がない。:2~3歳の時
2歳前半は、まだ「自閉症」と診断されていませんでした。
発語もまだ。
児童館に行って、同じぐらいの年の子がママとおしゃべりしているのを横目で見て、
「明らかにうちの子は言葉が遅れている」とは思っていました。
そして児童精神科の予約もしていましたから、知的障害はあるだろうなとうすうす思っていた頃です。
児童館は、当然ですが知的障害のない子が多く、2歳ぐらいの子でも「オトモダチ」に「遊ぼう!」とか、「こんにちは!」とか話しかけてくるのですね。
子は、話しかけられていることにも気が付かず、一人遊びに夢中・・。
するとその「オトモダチ」は、自分の母親に「ママー。この子話しかけても返事しない!」とかいうわけですよ(泣)。
するとその母親が「あら・・・そうなの・・」と、明らかに自分の子が無視されたことが不快な様子。
もうね、辛くてその場に居づらいわけですよ(笑)。
そんなこんなで、普通の子が多い児童館はだんだん行かなくなりました。
それでも遊び場は必要なので、発達に遅れのある子がいる支援センターの遊び場に行くようになりました。
そこはもうね、私にとってパラダイスでしたよ(笑)。
発語がなくても気兼ねしない。気後れしない。むしろ発達に不安のあるママ同士で話も弾みます。
知的障害・自閉症・発語がない。:4~5歳の時
その中で、発語のない子みんなに「○○君、おはよう!」といつも言ってくれるママがいました。
私は返事が出来ない我が子が申し訳なくなってしまって、「ごめんね、お返事できなくて・・」と私が言うと
「えー?できなくてもいいじゃん、返事してくれると思って言ってないよ」と笑顔で返してくれました。
私はそれを聞いて、ちょっとびっくりしました。
そのママは、返事が出来ない事なんか承知の上で、いつも息子に「おはよう、静君(セイ・息子の名前)!」「こんにちは、静君」と挨拶をしてくれていたのです。
返事なんか帰ってこないのに・・・。
それを知って、それからというもの、誰かがわが子に「おはよう、静君」と言ってくれたら、私が「おはよう!」と代わりに答えました。
少し成長したら、私が「おはよう!」と返した後に、「静、『おはよう』は?」「おはようだね」と促すようにしました。
それでも息子はしばらくはおはようが言えませんでした。
知的障害・自閉症:5歳を過ぎて
そして年月が経って2年。子も年長さんになり、「おはよう」と言われたらなんとか「おはよう」と返せるようになりました。
私はそれを見て、いつも話しかけてくれていたママを思い出すのです。
子の心の中では、人に会うと「おはよう」と言われたら「おはよう」というやりとりは少しずつ積み重ねられ、ついに表現できるようになったのだなととても感慨深くなります。
子は返事が出来なくても、誰かが「おはよう」と声をかけてくれる、そして「おはよう」と返す、その経験は積み重なっていたのですね。
子が年長になると、私もどちらかというと「園のなかで先輩ママ」の部類になります。
発語がない子の悩む若いママも大勢います。
私はお子さんに発語がなくても、「○○ちゃん、おはよう!」と声をかけるようになりました。
若いママは申し訳なさそうに、「ごめんね、まだ挨拶できなくて・・」と言います。
歴史は繰り返すんですね(笑)。
私は発語のない子に話しかけるのはママが気後れするかな、と思ってたのですが、でもやっぱり気にせず「おはよう」と声をかけるようにしています。
きっとその子の中で積み重なるから。
知的障害・自閉症:最後に
子供がまだ挨拶できなくて、話しかけられたら気後れするママへ。
とりあえず、気にしないことが第一です。そして、逆の立場の場合は気にせず声掛けしましょう。
自分の子が周りの子に比べて発達が遅れていると焦りますよね。
でも、ママが焦って何か頑張っても、子はたいして変わってくれません(笑)。
子の成長を、気長に、気負わずに、悩まずに待ってあげてください。
健常児のママの場合は、相手のお子さんが返事をしてくれなかったからと言って「しつけができてない」って思わないでくれると嬉しいです。ひょっとしたら、まだお返事できないだけかもしれません。