息子は六歳です。虫歯は1本もありません。また、感覚過敏や新しいものが苦手なこともあり、歯磨き粉は生まれてから一度もつけたことがありません。
それでも歯科検診ではいつも二重丸をいただいてます。「綺麗な歯です。これからも虫歯にならないよう歯磨きをしっかりしてください」と送り出されます。
我が家なりの自閉症児の歯磨きの仕方をお伝えします。
自閉症児の歯磨きに悩んでいるお母さん、参考にしてみてください。
ただ、あくまで我が家の方法です。それぞれのお子さんの特性に合わせてください。
そして本当にわからないことは専門医に相談してください。
参考になりそうなところだけピックアップして下さいね。
自閉症児:歯磨きのやり方(5か月)
最初の前歯が生えました。このころ、まだ歯磨きが何たるかもわかりませんので、歯磨きはし放題でした。
自閉症児:歯磨きのやり方(~1歳半)
自閉症の特性も出始め、イヤイヤをし始めました。
・歯磨きの間、じっとできない。
・口の中に異物を入れられるのを嫌がる
私はここで秘密兵器を投入しました。
そう、「スマートフォンの動画」です。
スマホはね、当時の自閉っ子ママ友でも賛否両論でした。
「一切見せない」「一時間だけ」というママ達が多かったです。
でも、私はそのころ自分の子供の自閉症に悩み、ネットの検索魔と化していました(笑)。
自閉症児が将来歯磨きを嫌がることや、虫歯治療をする際に全身拘束、全身麻酔する人もいるということを知り、
我が子は歯磨きを嫌いにならないように気を付けなければと必死でした。
そこで、歯磨きの時間だけスマホを見せるようにしました。
過集中ぎみのところもあるので、食い入るように見つめている間、磨き放題でした。
自閉症児:歯磨きのやり方(3歳)
療育園に通い始めます。このころ、やはり歯磨きが苦手なクラスメートが多かったです。
「うちは磨かせてくれるよ」というと、「え?どうやってるの?教えて?」と。
でも、「歯磨きの間はスマホ見せてる」というと、「スマホはちょっと・・」と言うんですよね。
歯磨きさせたいの?させたくないの?
スマホ見せながらやるぐらいなら、歯磨きしなくて虫歯になったほうがいいの?
ちょっと思いましたが、他人の子供のことです。口を出すべきではありません。
姑にもチクりと言われましたよ。
「スマホ見せるから自閉症になる」って。
「なんとか医大のなんとか先生がテレビで言ってた!有名な先生なんだって!」
それでも私は、子が虫歯になるぐらいならと、辛い視線や言葉を背に「歯磨きスマホ」を続けました。
子が虫歯になったときに病院に連れて行くのは私です。おそらく押さえつけるのも私(笑)。
そして何より虫歯治療の時の「ウイーン」音が嫌いだろう息子。
歯医者さんが嫌いになっては困ります。
そして歯磨きをする間は、子はスマホ、私はNHKの「歯磨き上手かな」をひたすら歌いつづけました。
子は何の歌かなんてさっぱり理解していません。
でも歯磨きの時はこの歌を聴く、そういう習慣が自閉症児には有効です。
いつも同じことをしたい、という特性を利用しようとしました(笑)。
自閉症児:歯磨きのやり方(4歳)
このころからぼちぼち、療育園でも歯磨き指導が始まります。
療育園のクラスメートのママ達も、子が歯みがきを嫌がることを真剣に悩まれていました。
このぐらいの時期に、歯科衛生士さんの講座がありました。そこで聞いたのは、
「実は・・大きな声では言えませんが、歯磨きは一日一回でいいです。虫歯菌の繁殖は24時間後ぐらいと言われています。夜寝る前だけしっかり磨いてください。歯磨き粉もいりません。フッ素も塗る必要ないです。」
悩めるママ達を前に、歯科衛生士さんが気を使って言ってくれたのかもしれません。でも、その言葉を聞いて、安堵したママたちはきっと大勢いたでしょうね。
私も歯磨き粉をつけて拒否されるぐらいなら、歯磨き粉なしで磨く!と覚悟を決めていたので、なんだか救われたのを覚えています。
このクラスで虫歯になった子が二人いました。二人とも、「スマホで歯磨き」を拒否したママです。
別にそのことをなんら否定はしませんが、4歳の子が銀歯になっていたのは痛々しかったです。
どちらが正解なんでしょうか。いや、きっと子育ての方針に正解なんてないのでしょうね。
自閉症児:歯磨きのやり方(5歳)
息子をいくらスマホで手なずけていたからと言っても、敵もさるもの(笑)、理解も進み抵抗してきました(笑)。
楽しみがスマホだけではなく、ゲームや絵本やその他もろもろ、スマホより面白い遊びがあると「歯磨きスマホ」は効果が薄くなりました。
そこで、規則はきちんと守りたい息子に、絵カードの投入です。
磨く場所をイラストにし、視覚的に理解しやすい状況を作りました。
サンプルは「東京都福祉保健局」の歯磨きカードです。
これに数字を振って、ダ〇ソーの月めくりのリングカレンダーに張り付けて、10カウントしたら次のページにめくるようにしました。
そしてその間、私はずっと「歯磨き上手かな」を歌い続け・・・
これがとても有効でした。
自閉っ子の息子には、
・どこを磨くかわかる
・終わりがわかる
・毎回一緒
という大変わかりやすい仕組みのおかげで、毎回歯磨きをすることができました。
もちろん、私がやる仕上げ磨きのほうが長いですが、そんなことはいいのです(笑)
歯磨きを嫌いにならない事、虫歯にならない事、それが大切です。
自閉症児:歯磨きのやり方(6歳)
息子は未だに歯磨きを嫌がりません。もう嫌がることはないかもしれませんね。
申し訳程度に磨いた後、
「ママ、『仕上げはお母さーんして』」と言ってきます。
5年も歌い続けてようやくかい・・と思いますが、スマホを見ながらでも聞いてたんだな、と思いました。
そして、仕上げ磨きの方が長いのもいつも通りです(笑)。
でもね、いいんですよ。虫歯にならない、それをテーマにやっているのですから。
自閉っ子は日常生活は普通の子のようにできません。
「虫歯になるから歯を磨いて」ではできないのです。
10年後ぐらいに、子は果たして虫歯になっているのか?
このブログが続いていたら、ぜひ追記したいと思います。